同族企業のメリットは長期的視点で経営を見守ることができる点ですが、それ故に厳しい判断が求められることも意識しています。会長は、もともと卸売業だった小林製薬をメーカーに転換させた創業者のような存在で、自身の感覚、センスを前面に立てて成功に導きました。ただ、全てを会長が見ていた頃とはサイズが変化したし、これからは社員一人一人のアイデア、みんなの努力が成果につながる仕組みを築くことが重要だと。副会長は、経営陣全体で考え、議論する組織形態の素地を作られた。これを受け継ぎながら「小林のものづくり」の仕組みを根付かせるのが私の役割だと思っています。